[ HINOMIYA ]
美濃焼は、岐阜県東濃地方(多治見市、土岐市、瑞浪市、可児市)で生産される焼き物の総称です。
その特徴は、国内最多の人間国宝を輩出する伝統的な芸術性と、
陶磁器生産量日本一を誇る工業的技術力という、対極の魅力を併せ持つ点にあります。
しかしながら、長らく作家と工場が交わることなく、それぞれ独立した道を歩んできました。
これらをつなぎ、双方の強みを活かした「手間をかけた量産」を実現する新しい関係性を模索する中で、
2年以上にわたる工場との対話と試行錯誤を経て誕生したのが、HINOMIYAプロジェクトです。
美濃焼の未来を拓く「手間をかけた量産」
現代の美濃焼は、効率的な機械化と低価格化を追求した結果、安定した生産基盤を築き上げました。しかし、その裏では、価格競争の激化により廃業する工場も後を絶ちません。
HINOMIYAは、美濃焼が持つ「手間を惜しまない美しさ」を取り戻し、
未来に向けた価値創造に挑戦しています。
プロジェクトでは、美濃焼の量産技術の中でも特徴的な「圧力鋳込み」の技法を活用。
さらに、現代アーティスト東金聖氏が作品制作で培った3Dデータ技術を組み合わせることで、
新しいデザインの可能性を切り拓いています。
日本が誇る最高級の磁土を使用し、無垢の状態で焼き上げた後、一点一点丁寧に磨き上げることで、
切子模様が光を透過し、美しい陰影を生み出す革新的なプロダクトが完成しました。
縁起を紡ぐデザイン
HINOMIYAのプロダクトに施された彫りは、古来より縁起が良いとされる七宝繋ぎの吉祥文様。
この模様は、永遠に円が重なり続けることから
「子孫繁栄」「円満な人間関係」「ご縁の大切さ」を象徴しています。
「人とのご縁や繋がりは、七宝と同じくらい貴重で価値のあるもの」
そんな思いを込め、HINOMIYAのギフトが人と人との新たな繋がりを生み出し、
未来へと紡いでいくことを願っています。
HINOMIYAは、作家と産業が共創する新たな美濃焼の価値を追求し、伝統を未来へ繋ぐ架け橋となります。



